愛らしく品のあるお顔ながら、獅子頭や纏(まとい)を手に、武芸にいそしむ堂々とした姿をかたどった加賀人形。
かつて加賀藩は外様大名であり、おもてだって武芸を奨励できず、獅子舞などの祭礼の儀式を町民の武術鍛錬の場にしていました。
この郷土色豊かな舞姿を、中島めんやでは新しい時代の感覚を加え、さらに技法に改良して新作風のものをつくり、これを加賀人形と名付け売り出しました。
加賀人形は、獅子舞や、纏を振る加賀鳶など、勇壮な姿ながら、いかにも京都の御所人形の流れを汲む上品さが特長です。
桐のオガクズを糊で固めて型に入れ、貝殻の粉とニカワを混ぜてといた粉を何度も塗り重ねて、艶のある人形の肌をつくります。